心身症の子どもたちの学校で

村上さん、はじめまして。毎日、村上さんの本を読んでいます。9年前から心身症の診断を受けた子どもたちが通う学校に勤務しているのですが、日々、あんな坂こんな坂、まさか! があり、昨年にふと、春樹さんの本を読みました。すると昔あんなに意味がわからないと思っていた村上さんの本が心が震えるほど私の中に入ってきました。特に壁抜け、井戸ほり、そして解離について、そんなお話を読むと、村上さんの本を媒体にしてあちらがわにつながるような、そして読み終わった後は別のところに着地したかのような、そんな気がして大きなため息が出ます。心身症の子どもたちの気持ちの翻訳みたいと感じます。これからも読み続けますね。読んでいただきありがとうございました。
(紙ひこうき、女性、39歳、公務員)

心身症の子供たちの学校に勤めておられるのですね。気を遣うお仕事だと思います。僕の書いた本が何かのお役に立っているようで、著者としてはとても嬉しいです。心に問題を持つ子供たちに、僕の書く物語を媒介としてアクセスできるのだとしたら、そんな嬉しいことはありません。そういう子供たちはだいたいにおいて、意識の奥の方にあるものに、普通の子供たちより、より近い場所で接して生きているみたいです。たいへんなお仕事だとは思いますが、子供たちをよりよく理解してあげてください。

村上春樹拝