音楽系と絵画系

村上さんこんにちは。
僕はレディオヘッドのファンで、村上さんを知ったのも彼らのアルバム、ヘイルトゥーザシーフ発売時のインタビュー、「このアルバムはハルキムラカミの影響を受けた」的な発言を受けてです。以降、村上さんの作品はほぼ全て愛読させていただいております。

質問です。村上さんはレディオヘッドに会った事はありますでしょうか。
相思相愛(笑)に見受けられるのであるのでは? と考えています。
新作いつも楽しみにしています。頑張ってください。では。
(文系エンジニア、男性、33歳、会社員)

僕はレディオヘッドの人と会ったことはありません。なかなかミュージシャンの人と会う機会ってないんです。生活の場がずいぶん違いますから。でも僕の小説を好んでくれる音楽関係者はけっこうたくさんいるみたいです。それは僕の小説文体が基本的には音楽的だからじゃないかと思っています。

小説の文体って、音楽系と絵画系にわかれるというのが僕の説です。絵画系の人の文章ってとても美しいんだけど、ときどき細部にこだわりすぎて、流れがふと止まってしまうことがあります。音楽系の人の文章は流れがいいのが特徴です。そのかわり細部が少し強引になることもあります。その二つの長所がうまくかみ合うといちばんいいわけで、僕も「そうなるといいな」と思っています。

村上春樹拝