自己顕示欲と嫉妬心と復讐心を抑えこめない

村上さん初めまして。サイトを再開して下さってとても嬉しいです! 
早速質問なのですが、昔誰かの本で「自己顕示欲と嫉妬心と復讐心は、大きく育てないように監視しなくてはいけない感情である」というような文を読んだことがあります。
恥ずかしながら私はこの3つの感情がとてもお盛んで、抑えこむのに常に苦労しています。その時は無意識でも、あとで思い返すと恥ずかしくなったりすることが多々あります。
村上さんは以前エッセイで「嫉妬を感じることはほとんどない」とおっしゃっていたと思うのですが、負の感情をやり過ごすコツはありますか? 
初めてのメールなのに重くてすみません。
このメールが村上さんの目に触れるんだと考えるだけでドキドキします! 
(みかん〈犬〉、女性、35歳、無職)

そうですね、自己顕示欲については功罪あると思うんですが、嫉妬心と復讐心というのはないに越したことはないと僕は思います。あるとけっこう苦しいですよね。僕はなぜか嫉妬心と復讐心は昔から弱い方です。たいていのことは「ま、いいか」とそのままあきらめます。思い出して身もだえするようなことはありません。ただし、復讐心はありませんが、何かいやな目にあったりすると、そのことはけっこうよく覚えています。簡単には忘れない。向こうが忘れても、こちらは忘れない。それで何かするというんでもなくて、ただ覚えているだけ。そして「もう同じ失敗はするまい」と思います。そういう性格です。性格って変わらないですよね。変えようと思うよりは、自分の性格とうまくつきあっていくコツをみつけましょう。

村上春樹拝