結婚相手の親は選べない

春樹さん、はじめまして。
中学時代の担任の先生が教室の本棚に『羊をめぐる冒険』をそっと置いてくれたことがきっかけで、春樹さんのご本をもくもくと読み続けています。15歳のときに『海辺のカフカ』を読んだことが、私のひそかな自慢です。

この春結婚しますが、おりいって春樹さんに相談したいのです。実は、私をたいせつに育ててくれた両親が結婚に賛成していないのです。相手はしんそこ誠実で、これまで出会ったなかで、いちばんのひとです。しかし、彼の父親が自慢話や悪口、お金の話ばかりして(控えめに言ってかーなり)失礼で、両親とそりが合わず、私も親戚付き合いするかと思うと途方に暮れてしまいます。彼は一人っ子で、どうやら父親に注意や反論をしてこなかったらしいのです。結婚して幸せになるには、どうしたら良いのでしょうか。
それでは、チャオ。
(匿名希望、女性、25~30歳、医師)

それはお気の毒です。先が思いやられますね。結婚相手は選べますが、その親戚までは選べません。僕の奥さんのお父さんはなかなか面白い人で、しばらく一緒に住んだこともあるんですが、仲良くやっていました。でもやなやつだと困りますよね。我慢できるところまで我慢して、我慢ができなくなったら、あとはお膳をひっくり返すしかないだろうと思いますよ。それでどうなるか? そこまで僕にはわかりません。それまでにご主人をできるだけ鍛錬して、精神的に強くし、自立できるようにしておくことが大事だと思います。がんばってください。

村上春樹拝