英語版を読んだ方がよいでしょうか?

イギリスにいると村上さんの英訳版がはやっているので、本の内容に関しておはなしをする機会があります。こちらは日本語版を1年前に読んでいるので1年後の(ぼくにとっては)思い出話を楽しみにしています。英語版は読んだ事がないのですが、ストーリーや人物をかたれるだけの世界観は似ているようです。 村上さんの本は“水の中にもぐって息を止めてその別世界をみている”ような神秘的ながら息苦しい体験なのです。村上さんが「英語版も違った意味で面白いよ」と背中を押してくれれば、本やさんで買ってみようかなと思っているのですが、英語版は読む価値はありますでしょうか。
(あさの、男性、32歳、IT関連)

日本語で読んでいるのなら、あえて英語版を読む必要はないと思いますよ。なにしろ日本語がオリジナル言語ですから。僕は翻訳をチェックするためにいちおう通して読みますが、その頃にはもう原文を忘れちゃっているので、違いとかはよくわかりません。「面白いな。次はどうなるんだろう?」とただページを繰っているだけです。変な著者ですね。でも面白く読めればそれでいいだろう、というのが僕のスタンスです。

僕の受けた印象では、ごく大まかに言って、日本の読者は僕の昔の作品を愛好する傾向が強く、外国の読者は僕の最近の作品を愛好する傾向が強いみたいです。不思議というか、面白いですね。どうしてだろう?

村上春樹拝