「音楽的に良い音」とは

漠然とした質問ですが、村上さんが思う「音楽的に良い音」とはどんな音でしょうか? また、それらが収められたレコード、CDがあれば思いつく限り教えて下さい。
(*島**、男性、42歳、会社員)

実際に音を出して、「ほらね、これは良い音でしょう」と示せるといいんですが、言葉で説明するのはとてもむずかしいです。同じ音源でも、CDとLPとでは音の質が違いますし、同じLPでもカッティングによって微妙に音が違ってきます。装置によっても音がまったく違ってきます。そういうのを追求していくと面白いのですが、行きすぎると、だんだん地獄の入り口が見えてきます。適当にやりましょう。

僕がいつ聴いても良い音だなと思うのは、オスカー・ピーターソンの「WE GET REQUEST」(VERVE)、ドラティーの指揮するプロコフィエフの「スキタイ組曲」(マーキュリー)、それからタイトルは忘れたけどオイゲン・キケロ・トリオのライブ(SABA)(2/9追記:僕の思い違いでした、Eugen Cicero “For My Friends” (Intercord)でした)、とりあえずそんなところです。僕が聴いてるのはどれもアナログ・レコードですが、CDでも良い音で聴けると思いますよ。とくにピーターソンのアルバムは、優れた装置で聴くと、レイ・ブラウンのベースが至福のごとく美しいです。

村上春樹拝