行ったことのないバーで……

こんにちは、くまごろうと申します。春樹さんにこのメール読んでもらえるかドキドキしながらメールを送らせてもらってます。以前、うどんやさんで見知らぬおじさんに「いや~、昨夜はどうも」と親しげに話しかけられました。「?」と思い、聞いてみると、どうやら、昨夜、オープンしたばかりのホテルのバーでそのおじさんと楽しくお酒を飲んだらしいのです。確かに、そのホテルは私の家の近くで知ってますし、「このバーで飲んでみたいな」と思ってたのは事実ですが、そのホテルに行ってませんし、そのおじさんとも初対面です。しかも、そのおじさんは私の出身地まで知ってました……何故? 魂だけ抜け出したのでしょうか? なんだか『スプートニクの恋人』の世界みたいですね。人違いだと言ってるのに……それを不思議そうにみるおじさんの顔が忘れられません。春樹さんもこういう経験ありますか? ちなみに『カラマーゾフの兄弟』読了しました。今でも「バー・スメルジャコフ」に入会できるのでしょうか? 
(くまごろう、女性、39歳、会社員)

【管理人より】かつて開設されていた村上春樹さんのホームページ「村上朝日堂」には、『カラマーゾフの兄弟』を読了した人だけが入れる「『カラマーゾフの兄弟』読了クラブ」(後日「バー・スメルジャコフ」に改名)がありました。

すごく不思議な話です。幽体離脱みたいだ。知らないあいだに魂がどこかで悪いことをしていないといいですね。僕も気をつけなくては。突然誰かに「子供を認知しろ」なんていわれたら困っちゃいますものね。魂も陰で何をしているかわかりませんから。

「『カラマーゾフの兄弟』読了クラブ」は今のところ閉鎖しています。「バー・スメルジャコフ」はまだ開店しておりません。すみません。そのうちに「『失われた時を求めて』読了クラブ」を開設するかもしれません。僕自身が入会できないのが難ですが。

村上春樹拝