小説の人物相関図書いてますか?

はじめまして。折り入って質問がございます。村上春樹さんの本は『風の歌を聴け』から全部読んでいます。

最初は日本文学の中でもマイナーな存在だったのに、今や飛ぶ鳥を落とす勢いの国際的に名の通った日本人文学者、という位置づけにあると思っています。そこで需要があるためか、たくさんの、いわゆる村上「解説本」が出回っていますよね。基本的には非常に愛情あふれるものが多く、微に入り細に渡って解説がなされています。時系列に落とし込んだり図解したり、中にはなるほど、と思うものがあって楽しく読んでいます。

そこで質問です。村上さんは小説を書くとき、いわゆる原稿用紙以外(というか最近ではPCのテキスト以外)の、チャートやらエクセルやらで人物の相関関係を管理したりしているのでしょうか。おそらく、そうではなく深く深く自分の井戸を掘り続けていくと、第三者がチャートにしたくなるように複雑な物語になる、ということなんだろうとは思っていますが、実際どうなんでしょう。文章以外の管理ツールをお使いですか? 
それとも編集者の方、もしくは奥様が、その辺の人物関係、時間の相関関係をしっかり図にして管理されているのでしょうか? 

なぜこの質問をするかというと、解説本を読みながら、もし本当にそのような管理ツールを使わず、頭の中だけで井戸を掘り続けて文章を構成しているとすれば、複雑なのによく文章が前後破綻しないものだな、と感心したからです。
(まみくるまし、男性、43歳、会社員)

長編小説を書いているときには、チャートはよく作っています。時系列も表を作ってチェックしています。そうしないとわけがわからなくなるから。管理ツールは使わずに手書きでやっています。でもだいたい途中でわけがわからなくなって、あとはおぼろになります。迷路にはまり込んだようなものです。感覚だけを頼りに物語を進めていきます。全部書いてしまってから、後戻りして事実関係を今一度調整します。原稿を渡してから、編集者と校正の人がもう一度事実関係を洗い直してくれます。疑問があれば、それを解決します。とくに『1Q84』は話が入り組んでいるので、とにかくもう大変だったです。でもその「迷路にはまり込んでしまう」という感覚がけっこう大事なんです。迷路にはまり込むからこそ、壁抜けもできるんです。

そんなところでよろしいでしょうか? 

村上春樹拝