退屈で寂しい時には

村上さん、おはようございます。米国在住の独身男性です。

2008年にバークレー日本賞を村上さんが受賞された時の講演が、遠くからではありますが、村上さんを見る初めての機会でした。覚えていらっしゃるかわかりませんが、次の長編小説はいつ発表しますか、という質問をしたかったのですが、長編小説のことを「long story」と質問カードに書いてしまったため、村上さんが、それって「novel」のこと? と司会者に確認をしなくてはいけなかった、あの時の質問を送ったものです。

前置きが長くなりましたが、独身で家族も日本に住んでいるため、また友人たちも家族持ちのため、週末は大抵一人で過ごしています。散歩や読書をしたりして過ごしていますが、あまりにも時間が多く、しなくてはいけないことが悲しくなるほど少ないため、時々とても退屈で寂しい気分になることがあります。村上さんでしたら、退屈で寂しい時(そんな時が村上さんにもあるとして)、どのようにして時間を費やしますか? アドバイスいただけますと幸甚です。
(Baneocat、男性、34歳、化学品営業)

バークレーに行ったのはもう七年も前のことなんだ。時がたつのは早いですね。あそこのステージはあまりに広くてびっくりしました。主催者に「ずいぶん広いところですね」と言ったら、「昨日までボリショイ・バレエの公演をここでやってました」ということでした。そんなところに座らされて、しゃべらされて、なかなかたいへんだったです。でもバークレーのオーディエンスのみなさんはみんなとても熱心で、よく笑ってくれて、楽しかったです。

僕は暇があると、だいたいレコード屋めぐりをしています。バークレーの近辺にもなかなか良いレコード屋さんがいくつかあります。時間をつぶすのにはとてもいいんです。

村上春樹拝