なぜ日本のメディアの取材に応じないのでしょう?

僕は前の会社にいたとき、村上さんに仕事として取材したいなあ、と考えたことがあったのですが、村上さんは日本のメディアの取材にはあまり応じないという話をどこかで聞きました(朝日新聞に寄稿されていた安酒の話は読みました)。それって本当ですか? また、本当だとしたらなぜなのでしょう? マスコミ関係者ってろくでもない輩も多いとは思いますが。

あと、まったく関係ないことですが、お気に入りのジョギングコースがあれば教えてください。
(なおきち、男性、29歳、雑誌編集)

僕は小説を書くのが商売ですが、それについて語ることは、正直言ってあまり好きではありません。ただそれだけのことです。全部の取材申し込みに応じていると、ものを書く時間がなくなってしまいます。年に一度か二度はインタビューにこたえるようにしていますが、それくらいがちょうど良いような気がします。マスコミ関係者にろくでもないやつが多いとなんて思っていませんよ。これまで素敵な人にたくさん会ってきました。首をひねりたくなる人も、たしかに少しだけいましたが……。

外国のメディアの取材にときどき応じているのは、ひとりの日本の作家として、やはりある程度、外に向けて発言をする義務があるだろうと考えているからです。でもこれも、そんなにたくさんやっているわけじゃありません。イギリスに行ったら現地のメディアのインタビューに二つくらいこたえ、ドイツに行ったら現地のインタビューに二つくらいこたえ、だいたいそんなものです。

村上春樹拝