アレと同じ

小説のアイディアのようなものはどのようにして思いつくのでしょうか? 新しく小説を書こうと思ってから考えて思いつくのでしょうか? それとも小説家というのは無意識に物語のアイディアを考えているのですか? また新しく小説を書くというときはおおまかにこういう小説を書こうという想いとか考えが先にあるのですか? それともあるシチュエーションだとか一文や台詞が先に思いつくのですか? もし後者であればそれが物語のどの部分なのかというのはすぐに分かるのですか?(たとえば必ず冒頭なのか、または冒頭であったり中盤であったり物語の終わりが先に思いつくこともあるのでしょうか?)
(島の生徒会長、女性、14歳)

小説の書き方というのはセックスのやり方と同じで……というのは14歳の女の子にはちょっとまずいな(すみません。忘れてください)、水泳と同じで、陸の上で理論的にひとつひとつ言葉で説明できることではありません。実際に水の中に入って、自分で身体を動かしてみるしかありません。もともとうまい人もいれば、もともとへたな人もいます。いずれにせよやりながら覚えていくものです。

僕の場合を言いますと、僕は冒頭の部分だけを徹底的に、時間をかけて考えます。そしてそこから話を進めていきます。プランはまったくありません。でも有効な冒頭の部分があれば、どんなに長い話だってプランなしで書けてしまいます。でもそれは僕のやり方であって、他の作家はまた別の書き方をされると思います。あまり参考にはならないかもしれませんが。大事なのは自分のやり方を見つけていくことです。がんばってくださいね。


村上春樹拝