私は人間が恐ろしくてたまらない

こんにちは。私は中部地方の片田舎で、至って平凡な生活を送る二十八歳の女性です。今回は村上春樹さんに質問させていただく機会があると知り、参加させていただきました。
私は人間が恐ろしくてたまりません。いつもいつも、あらゆる種類の人間に怯えて生きています。人間社会でやっていくには、少し無理があると思われるくらいです。大なり小なり、誰もがそういった不安を抱えているものだとも思いますが、私自身はいつまで経っても折り合いがつきません。自分なりに必死に考えて悩み抜きましたが、解決しませんでした。

そこでお訊きしたいのは、その恐ろしさを克服するためにはどうすればいいのかということです。また、頭で理解していても心がうまく反応しない場合、どう対処すればいいのでしょうか?(人間はそういうものだとわかっていても、心が怯えてしまうんです)

重苦しい質問ですみません。でもこれが、私が本心からお尋ねしたいことです。著書をいつも楽しく拝見させていただいています。新しい作品が出るたびに買い求め、わくわくしながら帰宅して読みふけります。もちろん今も、次の作品を心待ちにしています。
これからも応援しています。ありがとうございました。
(ものかげ、女性、28歳、パートタイマー)

そうですね。僕もたまにインターネットなんか見ていると、人間の本性の怖さみたいなのが見えてしまうことがあって、ときどきそら恐ろしくなります。隣にいる人が何を考えているのか、わからなくなってしまいます。だからなるべくインターネットとか、見ないようにしているんです。あなたもできるだけ、嫌なことは見ないようにした方がいいと思います。人はみんな多かれ少なかれ、暗い部分を心の中に抱えて生きていますが(というのが僕の考え方です)、同時にそれを補償するための明るい素敵な部分もちゃんと持ち合わせています。そういうものを積極的に信頼できるようになるといいですね。努力してみてください。

村上春樹拝