お金についてどう思っていますか?

村上さん。こんにちは。
僕は会社を経営しています。ある日、ちょっとしたきっかけで会社がうまく行きはじめたのですが「お金」に対する考え方がうまくまとまりません。お金にはいろんな良いこともありますが、お金がなかったときのほうが楽しかったなあと思うときもあります。

周りはみんな「お金」を求めてがんばっていますし、「お金」のためにいろんなことを我慢したりしています。でも、お金をある程度手にしてみても、それに対して支払った代償ほど幸せになった気もしません。

村上さんは「お金」のことをどんなふうに思っていますか? 自分の作品とお金(印税というんでしょうか?)の関係性についてどんな風に考えておられますか? 
(おほほ、男性、40歳、経営者)

僕はあまりお金のことって考えないです。自分の年収がいくらあるかも知りません。昔はお金がなくて苦労したけど、そのときもとくにお金のことは考えなかったような気がします。「お金ないなあ」と思っていただけ。お金がなくても、好きなことをしていれば幸福だった。あってもとくにどうっていうことない。あればあるなりに、なければないなりに生きていきます。これはもう、性格みたいなものだと思います。

僕が求めるのは、時間と自由です。もちろん時間と自由はある程度お金で買えます。でもそれだけじゃないんですよね。もっと大事なのは気持ちの持ち方です。そういう姿勢はお金だけでは買えません。

村上春樹拝