ムラカミ解説本をどう思う?

村上さん、初めまして
とても興味深い企画なので、この機に質問させて頂きます
村上さんの物語に対して「〇〇を読み解く」のような解説本らしき物が多く出されていますが村上さんは「海辺のカフカ」に関するインタビューで“解析のような事には意味がないので、そう言うのを抜きにして総体としての物語を、情景を、なるべくそのままのかたちでぽっと受け入れて欲しい”こんな趣旨のお話をされていたと思います
決して解りやすいとは言えない(失礼)村上さんの話を読む時に私にとって、この言葉はとても良い指標となっているのですが、ご自分の書籍に対しての解説本を目にした事はおありでしょうか
またそういった系統の本に対してどのような考えをお持ちでしょうか
(rams、男性、50歳、会社員)

僕は「僕に関する本」はいっさい読まないようにしています。なんとなく恥ずかしいから。だからそういう本について何かコメントをすることはできません。でもこれは私見ですが、大まかにいって、あまり解説本みたいなものは読まない方がいいと思いますよ。他人にすらすら解説されちゃうと、自分で考える力がやはり弱まっていくような気がするからです。できるだけ自分の歯でしっかり咀嚼する訓練をしましょう。不器用でも不細工でも、それが小説を理解するいちばんの早道です。僕はそう思います。

村上春樹拝