お店をやっていたときの哲学

こんにちは(こんばんは?)。わたくし早稲田の学生で、学校に行きながら大学の近くのカフェで店長のようなものをやっています。とても大変ですが、とても楽しいです。村上さんも在学中にジャズバーを営んでいたと聞きました。それで聞きたいことがあります。飲食店をやっていて、「これは 一番大切にしてたなあ」と今振りかえって思う哲学(のようなもの?)はありますか? もしよかったら教えてください。
(店長、男性、21歳、学生)

お客の全員に気に入られなくてもかまわない、というのが僕の哲学でした。店に来た十人のうち三人が気に入ってくれればいい。そしてそのうちの一人が「また来よう」と思ってくれればいい。それで店って成り立つんです。経験的に言って。それって小説も同じことなんです。十人のうち三人が気に入ってくれればいい。そのうちの一人がまた読もうと思ってくれればいい。僕は基本的にそう考えています。そう考えると、気持ちが楽になります。好きに好きなことができる。

昔、村上龍さんにその話をしたら、「おれ、そういうのだめだな。十人のうち十人が好きになってくれないといやだ」と言われました。人それぞれ、性格ってありますよね。

村上春樹拝