ありのままの

中学のときに村上さんの本に出会って、こないだ40歳になりました。それまでずっとスポーツクラブに通って、ウエイトトレーニングや水泳をしたりしてました。でも体力の衰えが目に見えてきたので、やめて合気道の道場に通い始めました。合気道は技術が上達するので楽しいです。村上さんはずっと走っておられますが、長期的にパフォーマンスが落ちてくる競技を続けておられる理由をお聞きしたいです。走ることで記録以外に伸びていく何かってあるんでしょうか? 
(タカシゲ、男性、40歳、大学講師)

僕は子供もいないし、会社勤めもしていないので、自分が年をとっていくという実感がなかなかつかめません。でも走っているとだんだんレースのタイムが落ちていくので、「ああ、僕もちょっとずつ年をとっているんだな」と確認できます。これって、けっこう大事なことなんですよね。僕の友達でもタイムが落ちてきて、それでめげて、走るのをやめちゃう人がけっこういます。でも僕は逆です。ありのままの自分を見つめること。それもまた運動のひとつの大事な役目なのではないかと思います。

村上春樹拝