ワクワクする「老化」って

近頃は、もっともっと「老化」をポジティブに楽しんでいきたい、という思いをつよくしています。夫は50代手前、そして、お互いの父母は80代、あるいは 70代後半です。私たち夫婦、そして4人の父母、それぞれのレベルで老化進行中であることに、しばしば気づかされます。これからどんどん未知の領域に突入していくんだな、と思うと何だかワクワクする気持ちもあります。村上さんは、「老化」についてどんなふうに向き合っていきたいと考えていらっしゃいますか?  先輩としてアドバイスをいただければ幸いです。
(かんだあやこ、女性、41歳、自営業)

僕はとうとうドストエフスキーが死んだ歳を超えてしまって。「ああ、僕はもうドストエフスキーより年寄りなんだ」と慨嘆しました。ドストエフスキーより年寄りってすごいですよね。僕、なんて言ってられませんね。言ってますが。
小説家というのは、歳をとってもできるから、なかなか良い商売です。年齢をかさねれば、それなりに見えてくる新しい世界というのもあります。若い頃に興味を持っていたものがつまらなく見えてきたり、まったく新しいものに心を惹かれたりします。でも体力だけは鍛えておきたいです。新しい領域を開拓していくためにも。

村上春樹拝