あの情熱はどこへ消えた?

いまは大好きな映画の仕事をしています。
入社当時はあまりにうれしくて、毎日毎日がんばって新しいアイデアを考えて楽しく仕事をしていたのですが、入社6年目の今は、なんだか惰性で、とりあえず、「何事もなく」仕事を終えようと考えてこなしている毎日です。
一昨年、子どもができたということもあるのかもしれませんが、仕事に対する情熱が見つかりません。主人は「いつでも仕事辞めていいよ」と言いますが、それもなんとなく悔しいのですが、どこか心の支えになっているような気もしています。
村上さんは仕事に「飽きた」ことはありますか? また、村上さんにとって仕事とはどういう存在ですか?
(うめきち、女性、37歳、会社員)

僕は小説を書くことを仕事とは思っていないような気がします。それは楽しみであると同時に、やらなくてはならないことです。飽きるとか、やりたくないとか、そういう範疇のものではない。いやならやらなきゃいい、それだけのことです。失礼かもしれませんが、そんなことをくよくよ考えているようでは、なかなかまとまったことはできないのではないでしょうか。思い直してがんばってください。そういう機会が与えられる人って、そんなに数多くはないんです。僕の印象ではあなたはわりに恵まれた環境におられるように思うのですが。

村上春樹拝